006十二人で戦うんだ。
キャンプシップの中で、私とウィッキちゃんは座り込んでいた。
「失敗しちゃったね・・・」
呟く。
結局私達は、《ダーク・ラグネ》を倒すこともできずに拠点を全て壊されてしまった。
思った以上に、難しいクエストだったな……。
最初が勢いづいていただけに、なんというか、やられたというか。全力で打ちのめされたような感覚がある。
暫くここで、座ってようかな……。
「ねえ、リリちゃん」
「うん?」
ウィッキちゃんに答えるチャットも、打ち込む手に力が入らない気がする。
「もう一回、行こうよ」
え?
ウィッキちゃんのチャットが、ちょっと信じられなかった。でも、ログはしっかり残ってる。
「・・・行くの?」
思わず聞いてしまった。だって、これだけやられたんだから、またやられると思うじゃない……。
「行こうよ」
でも、ウィッキちゃんは言った。
「クリアできなくても、行こうよ」
何で? チャットにはしなかったけど、心の中で聞いてしまう。
「最初からクリアできるゲームなんて、つまらないよ」
ウィッキちゃんは続ける。
「初めてレスタが上手くいったとき、二人で喜んだよね? 楽しかったよね? ああ、これがゲームなんだって、思ったよね」
そうだ、私はあの時、確かに達成感を味わったんだ。
「だからさ、このクエストも、二人でがんばってクリアしたら、絶対楽しいよ!」
はっとした。私は思っていたことがあって、それは違っていたと、思わされた。
だってゲームだもの。だけど、ゲームなんだ。
暇を潰すためにやるものかもしれない。だけど、真剣にやらなきゃ楽しむことだって出来ないんだ。
だって、ゲームだから!
「うん」
私は頷く。
「うん、うん!」
なんだか嬉しくて、何度も頷く。
「もう一回やろう!」
「やろう!」
ウィッキちゃんと二人で、立ち上がった。
●
緊急クエストは発生から三十分の間は自由に受注することが出来る。
さっき失敗したクエストが終わったのが十五分くらいだから、受注は余裕でできた。ただ、惑星リリーパに降り立った私達を迎えたのは――。
「だれもいないね」
無人の転送装置だけだった。
「私達二人しかいないみたい」
クエストに集まった人数をメニューから確認してみる。私達二人しかいないようだ。
「だれもこないのかな?」
「どうなんだろう?」
ちょっと考えてみる。
「二回目を受注するまでに間が空いちゃったから、人が集まるタイミングを逃したのかも」
やる気のある人は失敗しても成功しても、時間があればすぐに次を受注するはずだ。私達はさっきのクエストが失敗してから少し時間を置いて受注した。だからずれたのかもしれない。
「じゃあ、人が来るまで待とうかー」
ウィッキちゃんが転送装置の上に座る。胡坐をかくのはやめなさいな。
「ねえ、ウィッキちゃん」
私は切り出した。
「何も考えずに行っても、また失敗すると思うの」
そう、ただやり直すだけじゃ、また失敗する。立ち直ったからには、失敗から学ばなくちゃ。
「人が集まるまで、ちょっと作戦考えようよ」
「お、いいねいいいねー!」
まあ、多分作戦を考えるのはほとんど私なんだろうなあ。
とにかく、私達は話し合いを開始したのだ。
●
「30秒後に転送装置を起動します」
システムメッセージが流れる。
転送装置の上には、私とウィッキちゃんのほかにたくさんの人がいた。時間は二十五分。周回を重ねたであろう人たちが続々と入ってきたのだ。
「がんばろう!」
「うん! いけるいける!」
ウィッキちゃんと言い合う。
作戦も考えた。少なくともさっきよりはマシな結果にしてやるんだ!
「よろしくおねがいしまーす!」
不意にオートワードが表示された。同時に転送装置に滑り込んできたのはみんみんさんだった。
「あ、さっきの人」
思わずチャットにしてしまう。
「時間的に三週目かな?」
ウィッキちゃんの言うように、時間から考えれば三週目なのかも。
でも、みんみんさんかー。挨拶を返してくれたのは嬉しかったけど、何度も死なれるのはなあ。
私だって上手くはない。だけど、何度も死なれてしまうとそれだけアイテムも消耗するし、アイテムを使った分その時間は他の行動ができないわけでもある。
言いたくないけど、要するに足手まといになってるんだよね……。
前回の失敗のときのみんみんさんを思い出して、憂鬱になる。
「大丈夫、アタシだっているんだから!」
ウィッキちゃんが励ましてくれる。見透かされてしまったか。
ありがとうと言おうと思ったけど、それより早く転送が開始されてしまった。
●
「よろしくお願いします!」
採掘基地に降り立った瞬間、オープンチャットで叫んだ。
返事は返ってこなくてもいい。でも、〈これが重要だって〉気づいたんだ。
知らない人に気軽に声を掛けるのはまだ戸惑いがある。だけど、やる必要があると思う。だから、その決意表明だ。
「よろしくねー!」
ウィッキちゃんも挨拶を叫んだ。
「よろしくですー」
予測はしてたけど、みんみんさんが挨拶を返してくれた。他の人は無言だ。
挨拶を返してくれるだけでも、みんみんさんはいい人だ。挨拶を返さなくていいと思う人よりはマシだなって、思えた。
まあ、みんないろいろ考えることはあるからチャットを返すかもいろいろなんだと思うけど。
とにかく挨拶を済ませた私達は一斉に飛び出した。私とウィッキちゃんで別々の方向に走り出す。
作戦その一、結晶をちゃんと拾うべし。
二人で考えた結果、結晶はちゃんと拾って拠点の回復とバリアはしっかり使おうということになった。
第1WAVEと第2WAVEはエネミーの強さにも余裕がある。みんながエネミーに夢中になっている間に二人で結晶を集めようという作戦だ。
もちろん私達もエネミーと戦う。だけど、遠すぎる敵を追いかけたり、そういう無駄をしないで結晶を拾いながら戦おうということだ。
案の定、第1WAVEは余裕で終わった。二人で結晶を拾いまくった結果、最初のクエストよりもかなり拾えた。それどころか――。
「第2位:ウィッキ」
第1WAVEのポイントランキングでウィッキちゃんが2位になった!
「うわ! 2位だ!w」
「すごいすごい!」
このランキングのポイントがどうやって集計されているのかよく分からないけど、私達のはじめてのランクインだ。意味があるかは置いておいて、結構嬉しい。
第2WAVEも同じように結晶を拾いながら戦う。《ディカーダ》が瞬間移動してくることは経験済みだ。前に出て戦う人が多いから、私達は前に出すぎずに戦う。もう失敗はしない!
ディカーダが拠点に飛びつく。その瞬間を狙って迎撃する! く、こいつらの攻撃、どうしても一発は拠点に入ってしまうのね。ノーダメージは難しいのか!
それでも危ういことなく第2WAVE終了。よし、ここまではいけてる!
「調子いいね!」
「ここからよ!」
そう、ここからだ。第3WAVEからあの《ゴルドラーダ》が群れで襲ってくる。強敵だ。気を引き締めないと。
WAVEの合間に他のアークスも結晶を拾ってるから、私達が拾う数とあわせてかなり稼げている。この調子なら拠点回復の二回目も狙えそうだ。
第3WAVEが始まった。空が赤い! またこのタイミングで敵の強化がきた!
「ゴルドラーダ、要注意ね!」
「うん!」
私とウィッキちゃんは拠点近くに移動して防衛線を下げる。
ゴルドラーダが強い分、前に出て戦うと他の拠点に取り付かれた場合の対処が遅れやすい。だから、最初から下って移動距離を少なくする。最初のクエストでもやったけど、今回は最初からこの構えだ。
「きた!」
ウィッキちゃんの叫びに前を見ると、ゴルドラーダが走ってくるのが見える。私達は飛び道具が使えるから、近づいてくるまでにできるだけダメージを!
私の《グランツ》とウィッキちゃんの《ゾンデ》がゴルドラーダに降り注ぐ。グランツは光、ゾンデは雷のテクニック。どっちも対象に直に降り注ぐ。移動している相手に当てやすいテクニックだ。
光と雷に撃たれながらも、ゴルドラーダは突進をとめない。やっぱりこいつ強い……。
そのとき、ゴルドラーダに突っ込む人影が見えた。あ! やっぱりみんみんさんだ!
みんみんさんは《長銃(アサルトライフル)》を構えているのにゴルドラーダに接近。超近距離からライフルを撃ちこむと同時にゴルドラーダに殴り倒された。
もう! やっぱりこうなる!
みんみんさんは幸い死んではいない。HPがかなり減っているけど、立ち上がると距離をとりながら射撃を始めた。
私はみんみんさんにレスタをかけるために近づく。で、ちょっと気づいた。
みんみんさんは今、距離をとって射撃をしている。じゃあ、なんで最初は突っ込んだんだろう?
考えてみれば最初のクエストもそうだった。必ず一度近距離まで近づいてから攻撃してる。
ひょっとして、何かある?
みんみんさんにレスタをかけながら思う。ちょっとみんみんさんを観察してみよう。
何か考えのある行動なら、重要なことなのかもしれない。
ジギーさんの言葉を思い出す。
「周りをよく見るのがポイントだよ」
そう、みんみんさんをよく見れば、何かわかるかも。
みんみんさんがまたゴルドラーダに近づいた。そういえば、ゴルドラーダの他にもエネミーはいるのに、〈ゴルドラーダにしか近づかない〉。
よく見た。そして、それを見つけた。
みんみんさんが近づいて射撃した時だけ、撃たれたゴルドラーダに赤い丸がマーキングされる!
私は即座にマーキングに向かってグランツを撃ってみた。もしかしたら!
予想は的中! 私のグランツが倍のダメージをゴルドラーダに与えて一気に倒した!
そういうことか!
「ウィッキちゃん! みんみんさんがマーキングしたところを優先で攻撃!」
「ほいほい!」
みんみんさんはゴルドラーダに防御が下る〈何か〉をしてるんだ! そして、あのマーキングはその証であり、〈みんみんさんが攻撃してほしいエネミー〉なんだ!
私は意を決してみんみんさんにウィスパーチャットを飛ばす。
「みんみんさん、支援するので前に出過ぎない程度でマーキングお願いします!」
みんみんさんは答えてくれるだろうか……。
「りょうかいですー」
みんみんさんから返事が来た! オープンチャットだったけど、確かに返事をしてくれた!
多分みんみんさんはマーキングを確実にするために前に出てるんだ。でも、拠点から離れすぎずにやってくれれば私達も協力しやすい。
私とウィッキちゃんとみんみんさん、三人で一組になって動く。
私が回復、みんみんさんがマーキング、ウィッキちゃんがエネミーを倒す。この連携はかなりいい感じだ。ゴルドラーダを倒す速度も凄く速くなった! いい感じ!
第3WAVEが終わる。でも、拠点はダメージを受けつつもまだ三つとも残ってる! これはいけるかもしれない!
私たち三人は拠点回復を使う。少しずつだけど拠点の耐久度が回復する。
でも、やっぱり回復を十二人全員が使ってくれるわけじゃない。
だから、私は腹をくくった。いや、みんみんさんにウィスパーを飛ばした時点で、もう決めていたんだ!
「回復は全員で二回まで使えます! みんなで回復使い切りましょう!」
よし、オープンチャットで言ってやったぞ!
最初の失敗の時から、もう、〈これ〉が原因だと分かってた。だけど、最初のクエストは言葉を発するのを戸惑ったんだ。
怖かったから。返事がこなかったらどうしようって、思ったから。
でも、みんみんさんは答えてくれて、ウィッキちゃんはいつも隣にいてくれる。
だから、私は叫ぶんだ。十二人で戦わないと、勝てないんだから!
……。
やっぱり返事はない。
「リリちゃん・・・」
ウィッキちゃんが隣に立ってくれた。きっと私を慰めてくれているのだろう。うん、ちょっと、悔しいな。
「レンさんが緑拠点の耐久度を回復しました」
!? 回復のシステムメッセージ!
返事はないけど、答えてくれた!
と、次々にシステムメッセージは表示された。
「GASSさんが青拠点の耐久度を回復しました」
「ながれさんが紫拠点の耐久度を回復しました」
「アッキーさんが青拠点の耐久度を回復しました」
どんどん、みんなが拠点を回復してくれている。
「やったね! リリちゃん!」
「うん・・・! うん!」
思わず、画面の前で涙ぐんだ。
多分、みんな知らない人とチャットをするのに戸惑いがあるんだ。ない人もいるけど、ある人もいるんだ。
だけど、協力をしないって心に決めてるような人は、いないんだ。
私は涙をこらえて、チャットを打ち込む。
「ダーク・ラグネ、倒そう!」
「もちろん!」
ウィッキちゃんの心強い返事。そして同時に第4WAVEが始まる。
でも、第4WAVEはほとんど危なげなくクリアできた! 心なしか、みんなの動きがよくなったように見える。気のせいなのかは、よくわからないけど。
ついに第5WAVEだ。ここで、ラグネが来る!
マップの北に雑魚エネミーと共に現れるのは、巨大なダーカーのダーク・ラグネだ!
「ラグネに三人つきます! 拠点をお願いします!」
もう迷わない。私はオープンチャットで叫び続ける。
「みんみんさん、ラグネにマーキングお願いします!」
「りょうかい!」
みんみんさんも勢いづいた返事だ。拠点も耐久度はほとんど回復しきってる。もう、怖くないぞ!
飛んできたラグネの後ろ足に、みんみんさんが素早くマーキング。私の《シフタ》と同時にウィッキちゃんがゾンデをマーキングに撃ちこむ。
あっという間に足が壊れた! ラグネがダウンする!
素早く飛び出したのはみんみんさんだ! ダウンしてむき出しになったラグネの背中にあるコア。ほとんど接触距離から、みんみんさんは誰よりも早くコアにマーキングした!
そうか、みんみんさんはちょっと下手かもしれない。だけど、マーキングするための技術は凄く高いんだ。その技術をがんばって高めているんだ!
私とウィッキちゃんとみんみんさん、三人の攻撃がコアに集中する! 凄い! コアにマーキングしてるから、見たこともないぐらいのダメージが出る!
コアを露出してほんの数秒。ラグネは雄叫びと共に崩れ去った! やった! 拠点のダメージもほとんどない!
マップで各拠点を確認する。全て健在。三つの拠点それぞれに分かれて、みんなが防衛してくれている。
私がラグネにつくって言ったから、ちゃんとみんな拠点を守り抜いてくれたんだ!
「やったよ! ウィッキちゃん、やった!」
「リリちゃん、まだWAVEは終わってないから!w」
それでも、ウィッキちゃんの語尾にはwがついてた。やっぱり、嬉しいよね!
そのあと、ゴルドラーダの大量出現もあったけど、バリアを余裕で使えるポイントがあったから楽に処理できた! 第5WAVE終了! 拠点は全て健在!
やー、防衛戦もこれで終わりか。ちゃんと勝てたー!
「リリちゃん! カウントあるよ!」
動かない私に、ウィッキちゃんが叫ぶ。え? あ! 画面の右端に書いてある!
「最終WAVEまで、あと25秒」
最終WAVE! まだ最後があるんだ!
でももう、ここまできたらやるんだから!
「ラスト! がんばろう!」
ウィッキちゃんが叫ぶ。もちろん応える!
「絶対クリアしよう!」
カウントがゼロになる。瞬間!
画面が強制的にイベントムービーになった!?
イベントムービー、何らかのイベントで強制的に見せられるムービーだ! 防衛戦の最後って、ムービーが出るのか!
画面が敵陣の中央、その空中を映し出す。そこにはダーカー特有の赤いエネルギーが集まって――。
中から何か出てくる!?
空中に現れたのはラグネと同じくらい巨大なカブトムシのダーカー! 地面に降り立つと四本の巨大な腕を振って大きく叫ぶ!
画面が普通の状態に戻った! カブトムシと他のエネミーが一気に押し寄せてくる! これがラストステージ!
でも、怖くもなければ迷いもないぞ! 戦い方は覚えたんだから!
襲い来るエネミーをみんなで迎え撃つ! カブトムシ、《ダーク・ビブラス》って名前なのね!
フォーメーションはさっきと同じ。私達三人がビブラス、他の人が拠点防衛!
ビブラスは一気に突っ込んできて、雑魚と混じって混戦になった! みんみんさんがマーキングする! 私とウィッキちゃんが攻撃する!
流石にラストの大ボス、ぜんぜん倒れる気配がない!
でも、雑魚のほうはバリアも交えて順調に倒せてるみたい。手の空いた人からビブラスとの戦いに加わっていく!
ビブラスもアークスに押されて拠点から離れ始めた! これはいける!
「みどり!」
そのとき、誰とも分からない叫びがオープンチャットで飛び出した。
え? みどり? 何? 拠点?
目の前にはビブラスがいる。でも、チャットの内容が気になる。私は戦いの隙をついて拠点を振り向く。
緑拠点の前に、何かある!?
それは赤黒い、不気味なおっきい塊。なんだかは分からない。だけど、直感的に思う。
ひょっとして――ばく、だん?
二人のアークスがその塊を必死に攻撃していた。でも、次の瞬間。
「ごめん! 失敗した!」
「ぐわああああ!(死亡)」
二人のアークスの死亡を知らせるオートワード。それは塊が爆発して、あまりにも大きなダメージをアークスと拠点に与えた瞬間だった。
緑色の拠点、その塔が一瞬で壊れ果てる。
「拠点が一つ壊されちゃいました! 残りの拠点を守ってください!」
オペレーターが叫ぶ。
そんな――。
あの爆弾は、一体どこから……。
「リリちゃん! 動こう!」
はっとする。
「まだ、失敗はしてないんだよ!」
ウィッキちゃんが叫ぶ。ウィッキちゃんも、みんみんさんも、他のアークスのみんなも、みんな戦い続けてる。
そうだ、まだ終わってない!
私は走った。緑拠点の前で倒れた二人の下へ走り込む。ムーンを投げる、レスタをかける。
そしてビブラスへ向かいなおす!
残りの拠点、落とさせるもんか!
ビブラスはまだ激しく攻撃を続けている。でも、みんみんさんのマーキングに十二人が攻撃を加えることで、ついに断末魔を上げて倒れた!
やった!
その瞬間、エネミーの増援が一気にあふれ出す!
ゴルドラーダが、あんなにたくさん!?
それだけじゃない。みんながビブラスと戦っていた場所から、だいぶ離れたところから現れて、一直線に青拠点へと走って迫る!
だめだ、みんな遠い! 間に合うか分からない!
「結晶!」
そのとき、ウィッキちゃんが叫んだ。結晶? 結晶ポイント! 凄い! 4990ポイントになってる!
あと結晶一個で5000ポイント!
私はすぐそこに落ちていた結晶を拾う。そのまま防衛兵器設置ポイントにアクセス!
《フォトン粒子砲》!
それを選択して、現れた銃座に飛び乗る!
あ、これチャージ式!?
エネルギーをチャージする! もうゴルドラーダは拠点に取り付いてる!
ウィッキちゃんを先頭に、アークスたちも拠点まで戻った! でも拠点がかなりやられてる!
みんみんさんがバリアを設置した! 敵の動きが止まる! 拠点の耐久度はぎりぎり!
チャージは!? 完了した!
私はフォトン粒子砲を撃ちこんだ! どんな武器だかわからなかったけど、撃ちこんだフォトンの巨大なビームはゴルドラーダを貫く! 凄いダメージ!? 一発でゴルドラーダが消し飛ぶ!
あ、このビーム、横に動かせる!
そのままビームで横に薙ぐ。ゴルドラーダが次々に蒸発して――。
「STAGE CLEAR!」
システムメッセージが鳴り響く!
「やったー!」
「クリアだー!」
ウィッキちゃんと喜び合う。最後にゴルドラーダに襲われた拠点は耐久度がぎりぎりだったけど、でも、ちゃんとこのクエストをクリアしたんだ!
「あ、そうだ」
「どしたの?」
私は言う。
「うん、ちゃんと言っておかなくちゃと思って」
オープンチャットを、打ち込んだ。
「みんな、お疲れ様でした!」
●
「やあ、おかえりー」
ロビーに戻ると、ジギーさんが迎えてくれた。
「たっだいまー!」
「ただいまです!」
二人で駆け寄る。ジギーさんは一言、ふむと頷くと、
「どうやら楽しかったようだね」
そう言った。
たぶん、ウィッキちゃんがリアルで隣にいたら、二人で顔を見合わせていただろう。
だから、そのかわりに私達は返事を返した。
「「楽しかった! です!」」
to be continue...
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