02・下絵、線画
下絵を描いていきます。
夕空に人物という絵を念頭に置いて、位置関係を書き出します。
ここで使っているのはHB鉛筆です。
普段はもっと薄く描くのですが、写真に写らないので濃く描きました。
下絵の段階では薄い鉛筆を使うように心がけています。
濃い鉛筆だと消しゴムで消えてくれないので。
なお、鉛筆の使い方は基本筆圧をかけません。
鉛筆は濃さと尖り具合を調節すれば色が出る画材です。
なので筆圧はほとんどいりません。
固い鉛筆で筆圧をかけると原稿が傷ついてしまうので消せない跡が残ります。
それを防ぐために鉛筆は筆圧をかけずに濃さの違うものを使い分けます。
わざと原稿に跡を残すのも技法なので使うことはありますが。
今回はアニメ調の絵なので鉛筆の使い分けは緩いです。
位置関係が決まったら、形を出して行きます。
彫刻を削るつもりで補助線を引き、形を出します。
いきなりパーツの細かい所を描いてもいいですし、そのほうがいいという方もいますが、私は必ず補助線を引きます。
補助線はパーツの形、パーツの位置などを測る定規の役目を持っているので、描いておくとデッサンの狂いを防げます。
顔の中心の十字線から、各パーツの配置を記号で表すようにし、石から削りだす感覚で筆を進めると形は出てきます。
身体も同じ要領です。
人物の周りを覆う線は髪の毛の形です。
少し画面左に流れるように意識しています。
雲の形ですが、少し遠くにあるように見せるために、雲の底辺を平らにしています。
雲は遠くに行くにしたがって形が平たくなるのです。
規則正しく並ぶこともないので、画面下の奥側にある小さな雲は位置をジグザグにずらした所に置いてあります。
髪の毛の流れもそうですが、雲もまた空気が画面左へ流れているので、左への風を意識して形を描いています。
風の流れは球体をイメージするとそれらしくなるので、雲も球体の風に押されて丸い形を出しています。
形が取れたら実際の線画を描き込んでいきます。
補助線を消しながら、消した補助線が目に焼きついているうちに描き込みます。残っている補助線から位置を測るのも重要です。
この要領で線画を進めます。
線画完成です。
背景は主線がない絵にしたいので、雲はそのままです。
<前へ メニューへ 次へ>