03・背景
背景を描き込みます。
アナログなので、パソコンでいうとレイヤーが一枚しかない状態です。
自由に消すこともできないので、人物を際立たせるためには先に背景を描く必要があります。
色合いの調整が楽になりますし、背景が人物へはみ出したとしても、人物を描く時に上から塗ることで修正できるので楽です。
背景に色を入れます。
夕空なので暖かめのオレンジを、雲の部分を残して入れます。
雲のラフな線は消しながら描いています。
空は、地上からの反射光によって地平線が明るくなるので、下のほうが色が薄い形のグラデーションになっています。
さらに色を重ねます。
グラデーションの上の方の部分にのみ暖色の赤を重ねました。
色鉛筆は重ね塗りで複雑な色を出せるので、リアリティを出したいような重厚な塗りのときは違う色を重ねるのも面白いです。
これで空の色が出来ました。
次は雲です。
ややぼけてわかりにくいですが、雲に影を入れて、輪郭を少しぼかしました。
影を入れる時に絶対に頭に入れるべきなのが光源です。
どこから光が当たっているか、ですね。
この絵ではオーソドックスに頭上に設定しました。やや画面左よりの頭上から光が当たっているとしています。
上からの光なので、当然雲の陰は下につきます。
雲の丸い形を意識して影を描き込みました。
まずオレンジで薄く影を描き込み、上から3H鉛筆で斜めのタッチの斜線を入れています。
そしてその上からティッシュペーパーでこすってぼかしました。
画用紙は目が粗いので鉛筆や色鉛筆の粒子がよく伸びます。
なので、柔らかいものでこすってやるとぼかしの効果が生まれます。
綿棒や脱脂綿などの方がよく伸びるのですが、面倒なのでティッシュペーパーです。
画面下の雲のほうは影をあまりつけていません。
遠くの雲は陰よりも光の反射がきつくなるので、影が目立たないのです。
そして雲の輪郭もやはりティッシュペーパーでぼかしています。
雲の輪郭は形が崩れない程度に描いてからぼかします。
形が認識できずにグラデーションになってしまうと雲が模様に成り下がるからです。
そんなこんなで背景が完成です。
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